今朝、談話室にいたら患者さんが来た。
時々見かけはしていたが、話をするのは初めてだった。
年齢は70代ぐらいか、、
片方の腕が不自然に曲がっておられ、はねるように歩かれる方だった。
でも元気そうに見えていた。
「みなさん、退院されて寂しくなりましたね~」
「わたしも来週の水曜日に退院するんです」
「そうですか。いいですね、やっぱり家がいいですもんね~」
「わたしは家には帰らないんですよ。最後の病院に行くんですよ」
最後の病院・・と聞いてハッ‼とした😨
この人は末期の方なのだ・・😰
「M病院に行くんですよ。先生には痛みがないようにとだけお願いしてるんです。死ぬことは怖くないんですよ。これも自分の運命だと思ってます」
M病院はホスピスケア、緩和ケア専門の病院なのだ。
女性の表情に、暗い影はまったくない。
むしろ明るい。
死への不安や恐怖も見えない。
「去年パートナーも亡くなったし、親も見送りましたしねぇ」
淡々と話す女性の話にそうですか・・そうなんですね・・と相槌を打つ。
生きることに未練や執着も見えない。
以前はあったのかもしれないが・・
もう手放されたのかもしれない。
それにしても・・
穏やかだ・・
凛とした美しささえ感じる。
湖のような静寂さ。
死を受け容れた人って強いな。
いつもなら「奇跡は起きます、大丈夫」って言う私だが・・
その言葉さえこの人の前では薄っぺらい。
この人はすでに、違う次元にいる。
生きるとか死ぬとか、もう流れに任せているように見える。
敵わない。
魂的に敵わない・・とはこういうことなんだろうか。。
私にできることは祈ることだ。
どうかこの人の苦しみがないように・・
幸せでありますように・・
そして、
希望がありますように・・☘